アライ独自の技術が生んだ緩衝ライナー
3段発泡ライナー

緩衝ライナーは、万一の際に受けた衝撃を吸収し、人間の頭(脳)が耐えうる程度まで衝撃を小さくさせる役目を担う、ヘルメットの重要な要素です。この、発泡スチロール製のライナーは、力を受けた部分の発泡体が自ら潰れていくことで衝撃をやわらげます。
ライナーは、やわらかいほど発泡体が円滑に潰れるため、大きな緩衝効果を得ることができます。しかし、衝撃を受ける場所
によっては当たる面積も異なり、発泡体の破壊される体積は大きく異なることになります。そのため、前頭部など限られた狭い面積でのみ衝撃を吸収しなければならないところは、ライナーを硬くする必要が生じてきます。
ところが、一体成型で硬度を部分的に変化させることは非常に困難で、かなり高度な技術が要求されるため、ほとんどのヘルメットのライナーは全体が均一の硬さで成型されているようです。しかも、規格を通すための剛性確保を、ライナーを硬くしていくことで補っているヘルメットさえみられます。これでは、たとえ規格をパスしていても、人の頭に最適であるとは言いきれません。
アライヘルメットは、頭頂部、側頭部、後頭部、前頭部とひとつの成型ライナーでありながら、部位により最も適した硬度で発泡倍率を変化させています。シールド開口部のヘリ近く、前頭部の狭い面積ではリッター当たり50g、その上方部及び側頭部は38g、より面積が広くなる頭頂部では34gという発泡体密度で硬度を変化させた理想的なライナーです。もちろん、この硬度を変えた理想的なライナーを一体成型できるのは、世界で唯一アライだけなのです。